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(日本人に合った中国語の学習方法) 日本人が中国語を学習する際、入門や初級段階では漢字を見てはいけません。 どうして日本人は“中国語の漢字”を見てはいけないのでしょうか? 中国語の漢字のほとんどの意味は、初級の日本人学習者でも見た瞬間的にだいたい理解します。音読すればなんとなく読めた気にもなります。この漢字を理解するところが、日本人の中国語学習における挫折の原因となる大問題を孕んでいるところなのです。 アメリカ人は、中国語の文字をみてもチンプンカンプンですから、学習はもっぱら中国語の音の記憶から入ります。日本人の学習者とまったく違います。 日本人の脳は中国語の文字(漢字)を“言語情報”と判断します。もちろん、中国語の音も“言語情報”と判断します。この同じ“言語情報”が、日本人の中国語の音の記憶に大きな障害をもたらします。中国語の音と文字の“言語情報”が同時に脳に入って来た時、私たちの脳はどのような働きをするのでしょうか? 脳は、同じ言語情報ならわかりやすい方だけを、脳の「中央情報処理部位」にもって行きます。そして、「意識」から「短期記憶」に運ばれます。 脳の「中央情報処理部位」に同じ“言語情報”である中国語の「音」と「文字」が同時に入ってきた時に、脳は良くわかる方の“言語情報”を上の「意識」に運びます。私たち日本人にとっては誰でも漢字の方がわかりやすい“言語情報”だと判断するでしょう。結果的に中国語の文字である漢字はどんどん意識を通じて短期記憶に入って行きますが、わかりやすいと判断されなかった中国語の音は無常にも廃棄されるのです。廃棄された中国語の音はもちろん記憶されません。 中国語学習の初期の段階では、漢字を見ながら中国語の音を聞くことはしてはいけません。 この地球上で漢字を理解するのは中国人と日本人だけです。ですから日本人が中国語を話せるようになることは、アメリカ人がラテン語やドイツ語を短時間に習得できるのと同じように短時間に習得できるはずなのです。それができていないのは学習方法を誤っているからです。聞く力をつける最良の方法を知ることこそ、中国語が「聞ける」「話せる」早道となります。 (人は学習の考え方を手に入れたら、頭が良くなる動物です) 中国語の音を確実に記憶させる重要なオウム返しについてすでにお話しています。 音の記憶は「耳」→「言語中枢」→「中央処理」→「意識」→「短期記憶」→「長期記憶」とプロセスを踏みます。長期記憶は一生保持されるの記憶です。 どのように学習すればより多くの中国語の音を長期記憶に到達させることができるのでしょうか? 漢字を読んだり書くことのできる日本人には、中国語の記憶行動を阻害するとても重大な問題があります。また脳には、情動的な出来事に関連付けられる記憶の形成と貯蔵における主要な役割を担う[扁桃体]というものがあります。 [扁桃体]は記憶固定の調節にも関わっています。学習した出来事の後に、その出来事の長期記憶が即座に形成されるわけではないのです。むしろその出来事に関する情報は、記憶固定と呼ばれる処理によって長期的な貯蔵庫(長期記憶)にゆっくりと同化され、半永久的な状態へと変化し生涯に渡って保たれて行くのです。記憶固定の際に、その記憶には調節作用が起きます。特に、学習した出来事の後の情動の喚起は、その出来事の記憶を強める影響を起こします。学習した出来事の後の情動の喚起が強いほどその人の持つ出来事の記憶の保持が強化されるのです。また、[扁桃体]は無意識に他人の心を推測したり、見ず知らずの赤の他人と協力できるなどを作用させることも知られています。まさに人が言語を持ち感情を表し、人との繋がりを保つ肝になっています。したがって、ただ老師についてテキストを読んで必死に覚えようとしても習得は覚束ないのです。 中国人以外で、地球上で唯一漢字を理解する日本人は、日本人に合った正しい学習方法でこそ短時間に中国語の習得できます。 カウンセリングでは、如何に効率良く「短期記憶」から「長期記憶」に音の記憶を移動させるのか、じっくりとわかり易く説明させて頂きます。 以上のことから、言語の音を覚える為には学習する環境と方法が如何に大切かお分かりになったと思います。 = しっかりフォローの情動作用を助けるレッスン進捗表 = 聞くという力は、「聞こえる」「聞く」「聴く」「傾聴」「訊く」の五つにわけられます。 それぞれ意味 は何を言っているのでしょうか? 「聞こえる」-- 聞く意志がなくて、ただ耳に入ってくること。 「聞く」------ 聞く意思をもって聞くこと。 「聴く」------ 聞く意思をもち、注意して聞くこと。 乳幼児が母親の声が聞こえてくると、捜し求める行動をします。 「傾聴」------ 聞く意思をもち、注意を集中して聞くこと。 言葉の模倣をしたり、言葉による指示に従い行動をする。 「訊く」------ 自分の聞きたい意思を相手にまで及ぼし、答えを求めて積極的に聞き出す こと。「これ、なあに?」と質問をする行動をします。 子供は「聞く」という力を基礎にして、「話す」「書く」といった行動を生み出します。聞くことで言葉を発達させていくのです。中国語の音を聞いてもすぐに反応できないで、返事を発せられない状態があります。でも、脳は反応しているので、どうしようかと考えます。これは「聞く」の状態であって子供が反応してくれない時と同じなのです。中国語の学習には「傾聴」や「訊く」という力が必要で、レッスンや自習でこれをどのように作り出すかが中国語習得の最大のポイントになります。私たちはこの学習方法をお教えしそれを実践していきます。
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